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■ 性差医療 微小血管狭心症 (2004年 09月 11日 00:25)
 医薬ジャーナリストの橋本明子氏は、性差医療(Gender Sensitive Medicine)とはホルモンや脳の構造、骨格など、男女の性別に起因してかかりやすい病気を正確に診断し、治療効果を考慮する新しい概念の医療のことで、1990年代ころから米国を中心に広がってきた、と述べて(健康づくり:No.315, 1,2004)いる。
 同氏はまた、都道府県立病院では全国初の「女性外来」を新設した千葉県立東金病院天野副院長の臨床体験としての「女性の胸痛」を次のように紹介している。
 閉経前後の40-50代の女性の胸痛は心臓神経症といわれ、原因はメンタルなものと考えられていた。
患者の心臓神経症が実は閉経後の女性に発症する微小血管狭心症であることを米国の学会で知った。微小血管狭心症とは、大きな太い血管が収縮して起こる狭心症ではなく、心筋の毛細血管の収縮による狭心症で、原因は女性ホルモン。女性ホルモンは血管を拡張させる作用があるが、閉経して分泌が少なくなると血管が収縮しやすくなり、胸痛がおこる。米国では治療法も確立している。
橋本明子:健康づくり No.315, 1,2004
■ メタボリック症候群の診断基準 (2004年 09月 11日 00:04)
 動脈硬化を引き起こす危険因子として肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧などがあることは以前から知られていたが、これらの因子が重複、複合するとさらに起こしやすいことが分かってきた。そこで、これらの危険因子が重複して存在する病気を「インシュリン抵抗性症候群」とか「シンドロームX」、「内臓肥満症候群」などと呼んできたが、2-3年前から呼び名を統一しようという動きがあり「メタボリック症候群」あるいは「メタボリックシンドローム」という呼称が定着してきた。メタボリック症候群の診断基準にはWHO(世界保健機関)、ヨーロッパ(EGIR)、アメリカ(NECP)などが独自に定めたものがあるが、日本にはまだメタボリック症候群学会といったものがなく統一した基準はない。
 白井厚治氏(東邦大内科学教授)は、NECPの基準を参考に次のような規準を示している。
 表 メタボリック症候群の診断基準(Vrd NECP&Panel V(米国)を参考に)
 1.肥満    BMI>25 (BMI=体重(kg)÷身長(m)2)
        ウエスト:男性>85cm
            :女性>90cm
2.中世脂肪  >150mg/dL
   HDL-C   <45mg/dL
 3.血圧    >140/90mmHg
 4.血糖    >110mg/dL
白井厚治:ヘルシスト28(5) 2,2004 Sept-Oct
■ 抗がん剤における分子標的治療薬 (2004年 09月 09日 14:00)
 西條長宏氏は、「知っておきたい薬物療法の新展開-H 抗がん剤」(JAPIC NEWS No.245,4,2004)において次のように解説しています。
 分子標的治療薬の標的は分子量、化学構造の明確なsmall moleculeとそれ以外のマクロモレキュルに分類される。マクロモレキュルに分類されるものの代表は抗体ですが遺伝子治療、細胞治療、ペプチド抗原治療などもこの分類(マクロモレキュル)に含まれる。また腫瘍細胞自身の分子生物学的異常が直接分子標的になっている場合と細胞の周辺環境における分子生物学的異常が標的になっている場合があり、各々特異的および非特異的分子標的治療とよばれている。
 分子標的治療薬の臨床試験は多数行われ、国内においても既にトラスツズマブ(ハーセプチン)、リツキシマブ(リツキサン)、イマチニブ(グリペック)、ゲフィチニブ(イレッサ)の4剤の分子標的治療薬が承認され各々、乳がん、非ホジキンリンパ腫、慢性骨髄性白血病、肺の非小細胞がんの治療に用いられている。国外ではこれら以外にGIST(消化管間質腫瘍)に対するイマチニブ、骨腫瘍に対するボルテゾミブ(バルケード)、大腸がんに対するセタキシマブ(アービタックス)、ベバチズマブ(アバスチン)などが承認されている。
■ 口腔アレルギー症候群と食物依存性運動誘発性アナフィラキシ− (2004年 09月 09日 13:13)
 最近、これまでに見られなかった二つの新タイプのアレルギーとして「口腔アレルギー症候群」や「食物依存性運動誘発性アナフィラキシ−」がでてきている、と報道(北国新聞 平成16年8月30日)されている。前者の原因物質として、キウイフルーツやメロンなどの果物や野菜、低年齢の子供のケースが多い。後者は発症はまれな疾患で、原因物質としては小麦や魚介類など。中学生以上に多いとされている。
■ 医薬品情報の階層化、“e添付文書”研究の動向 (2004年 09月 04日 23:58)
 現在の医療用医薬品添付文書は、医療関係者にとって必ずしも使いやすいものではない。この指摘を解決するために、添付文書の重要事項が短時間で理解できるための“ハイライト情報”や電子媒体を活用してより詳細な関連医薬品情報を統合して提供する“階層化添付文書情報”“e添付文書”の研究が進められている。
 これまでの研究では、添付文書情報を階層構造化し、最上位レベルには当該医薬品の最重要事項をコンパクトに記載したハイライトを創設し、かつ添付文書記載内容は下位にある各種詳細情報を参照すれば、その根拠が提示されるような体系化が提唱されている。
最上位:ハイライト(当該医薬品の最重要事項をコンパクトに記載)
   :添付文書
下 位:詳細情報(添付文書の詳細情報)
   :詳細情報を裏付ける臨床試験成績、研究論文、副作用症例報告、市販後調査成績等
中村陽子:JAPIC NEWS No.245,8,2004より
■ 西ナイル熱のワクチン開発 長崎大が臨床試験へ (2004年 09月 04日 23:48)
 1999年8月に米国ニューヨーク市に発生した西ナイル熱は、その後数年の間に西海岸にまで広がりを見せ、日本への侵入が懸念されている。
 西ナイル熱の予防ワクチンを長崎大熱帯医学研究所の森田公一教授と国内のワクチンメーカーのグループが開発、秋にも人を対象にした臨床試験に入る見通しであることが分かった、と報道(北国新聞 平成16年8月28日)されている。
■ 子供向け投薬基準量 厚生労働省、100成分検討へ (2004年 09月 04日 23:36)
 旧厚生省研究班の調査(00年)によると、5病院で18歳未満の患者に使われている約2300種類の医薬品のうち、4割は添付文書に「子供への適用の安全性は確立していない」と書かれ、3割は子供への使用について全く記載がなかった。
 厚生労働省は、専門家らによる検討会を設置し、来年度から5年間で100成分について子供への投与量などの基準をつくる、と報道(朝日新聞 平成16年8月23日)されている。
■ 「新特定保健用食品制度に関する規準等策定のための行政的研究」がスタート (2004年 09月 04日 23:25)
 厚生労働省は「新特定保健用食品制度に関する規準等策定のための行政的研究」の研究班をスタートさせ、
(1)表示内容の充実
 1.「条件付き特定保健用食品(仮称)」の導入
 2.規格基準型特定保健用食品の創設
 3.疾患リスクの低減表示の容認
 4.特定保健用食品の審査基準の見直し
(2)表示の適正化
(3)安全性の確保
(4)普及啓発等
等の検討作業を行い年内に施行を目指す、と報道(ドラッグトピックス平成16年8月30日ほか)されてる。
■ 「塩酸アトモキセチン」(NRI:選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) (2004年 08月 31日 10:55)
 NRI「塩酸アトモキセチン」は、米国では昨年1月からAD/HD(注意欠陥・多動性障害)治療薬として発売されているが、本年6月英国でもAD/HD治療薬として承認されたと報告されている。イーライリリー・アンド・カンパニーは、本薬をAD/HD治療薬として紹介している。
 抗うつ剤は、(1)モノアミン再取り込み阻害作用を持つ三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬、
(2) α2-アドレナリン受容体遮断作用・セロトニン受容体遮断作用を持つ抗うつ薬、
(3)選択的セロトニン再取り込み阻害作用を持つ抗うつ薬(SSRI)、
(4)セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を持つ抗うつ薬(SNRI)、
(5)ドパミン受容体拮抗作用を持つ抗うつ薬、中枢神経興奮作用を持つ抗うつ薬
等に分類されている。
 SSRIに分類されるマレイン酸フルボキサミンは、適応症としてうつ病及びうつ状態、強迫性障害、塩酸パロキセチン水和物は、うつ病及びうつ状態、パニック障害
 SNRIに分類される塩酸ミルナシプランは、適応症としてうつ病及びうつ状態
となっている。
(注)「塩酸アトモキセチン」は国内ではまだ承認されていない。
■ アロマターゼ阻害剤レトロゾール, 「MA17」試験で術後補助療法効果検証 (2004年 08月 26日 14:37)
 薬事日報(04年8月23日付)は、ノバルティス「レトロゾール」新効能がスイスで承認、米国での審査も最終段階に、という見出しで「5年間のタモキシフェンによる標準アジュバント療法終了後の、ホルモン受容体陽性かホルモン受容体不明の閉経後早期乳癌患者に対する適応」を報告している。医薬ジャーナル 40(8)2198,2004には、「アロマターゼ阻害剤レトロゾールMA17試験で術後補助療法効果検証、乳癌の遠隔部位再発リスク抑制証明 米国臨床腫瘍学会年次会議」 との見出しでその結果を紹介している。
 アロマターゼは閉経後婦人における副腎由来のアンドロゲン(男性ホルモン)をエストロゲンに変換させる酵素として知られている。アロマターゼ阻害剤はこのエストロゲンの産生を抑制し、乳癌の発育、増殖を抑制しようという目的で開発された。
 国内ではすでに、アフェマ錠(一般名:ファドロゾール)日本チバガイギー・ノバルティスファーマ、アリミデックス錠(一般名:アナストロゾール)アストラゼネカ、アロマシン錠(一般名:エキセメスタン)などがアロマターゼ阻害剤として、いずれも閉経後乳癌の適応で発売されている。
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