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■ 日本人の栄養所要量(食事摂取規準)第7次改正 (2004年 11月 21日 22:59)
 厚生労働省の「日本人の栄養所要量(食事摂取規準)策定検討会」が10月25日に開かれ、第7次改正となる食事摂取規準を大筋でまとめられた。食事摂取規準は平成11年の第6次改定で示されて以来、5年ぶりの見直しとなり、平成17年度から5年間活用される。
 今回の改定では、化学的根拠に基づいて基準値を設定すると共に、生活習慣病予防を重視する観点から、それに関係する栄養素には「摂取量の範囲(目標値)」を設定されているのが特徴とされている。
 厚生労働省は、この摂取基準を薬事・食品衛生審議会健康増進部会に報告すると共に、関係学会・団体の協力の下、セミナー等を通じて普及を図っていく、近くホームページで公表され、意見募集が行われる。
参考資料:薬事日報 平成16年10月29日号
日本薬業新聞 平成16年11月9日号
朝日新聞 平成16年11月8日
食品化学新聞社ホームページ http://www.foodchemicalnews.co.jp
■ 海外事情 治験結果の透明性確保が加速 (2004年 11月 14日 23:44)
 小板橋律子氏は、日経バイオビジネスの「ワールド ニュース ウオッチ」において治験の情報公開に関する海外事情を報告している。そのなかで、治験や臨床試験に関する研究成果の雑誌掲載について次のように紹介している。
 「主要な海外医学雑誌が、治験や臨床試験に関する研究成果を掲載する際に、一般的にアクセスできるデータベースに研究成果が登録されていることを、条件として新たに求め始めた。
 これは、International Committee of Medical Journal Editors (ICMJE) が、9月にとりきめたもの。ICMJEに加わっている主要医学雑誌がこの方針に従うとしている。
 治験において、有効性や安全性を示したポジティブデータは医薬品のマーケティングに活用される。一方で、医薬品のリスクや効果に対する否定的な結果(ネガティブデータ)については、全てが論文に掲載されるという保障はないという問題がICMJEの新方針の背後にある。」とし、
日本でも治験の情報公開体制整備は急務といえるだろうと述べている。
日経バイオビジネス 2004年11月号8頁より
■ 肺炎と間質性肺炎 (2004年 11月 11日 14:39)
 肺炎は肺胞の内部(空気のあるところ)におきた炎症性の疾患、間質性肺炎は肺胞の壁に生じる炎症性の疾患と理解されています。
 一般的に単に「肺炎」と呼んでいる疾患は、細菌やウイルス、真菌の感染性肺炎が多く、この他、薬剤性肺炎やアレルギー性肺炎などの非感染性の肺炎があります。
 間質性肺炎というのは肺胞隔壁に生じる炎症によって、細胞隔壁の肥厚やさまざまな程度の線維化を生じる疾患で、主な症状は呼吸困難、乾性咳嗽、発熱です。
 間質性肺炎を起こす原因としては、1)膠原病、2)感染症、3)放射線、4)職業または環境(無機粉塵、有機粉塵など)、5)薬剤、6)病気など
 この中で、5)の薬剤については、抗生物質、抗がん剤、抗炎症剤、リウマチ治療薬、一部の漢方薬(小柴胡湯が有名)等によって引き起こされる場合があります。
 薬剤性の間質性肺炎では、原因薬剤を中止し呼吸管理が行われ、軽症例では、薬剤の中止のみで治癒する例もありますが、重傷例ではステロイド療法(pulse療法など)が行われます。
参考文献
日本薬剤師会 編:重大な副作用回避のための服薬指導情報集T,1997.46-48頁:じほう
全国膠原病友の会京都支部ホームページ:
http://homepage2.nifty.com/KOGEN/Kyoto/kiso/Haien.htm
■ 厚生労働省 妊娠中絶薬の個人輸入禁止 (2004年 11月 02日 14:18)
厚生労働省は厚生労働省ホームページに次のように掲載し注意喚起を行っています。
1.厚生労働省のホームページの掲載による注意喚起等
1)経口妊娠中絶薬を医療機関を受診せずに安易に服用することは危険ですので避けていただくよう、厚生労働省のホームページにQ&Aを掲載して、広く呼びかけることとしました。
2)健康被害の実態を把握して、注意喚起の対応を進めるために(社)日本医師会等の関係団体あてに協力を依頼しました。
2.個人輸入代行業者に対する監視指導の強化
 個人輸入代行と称している場合でも、不特定多数の者に希望を募る広告を行う等、その形態によっては、薬事法違反に該当するおそれがあるため、あらためて
1)各都道府県に対し、個人輸入代行業者のインターネット上の広告等について、監視指導の徹底を依頼
2)インターネットで広告を行っている個人輸入代行業者やプロバイダに対して警告メールの送付
を行い監視指導の強化を図りました。
3.個人輸入に対する制限
 経口妊娠中絶薬については、これまで少量であれば厚生労働省での手続きが無くても個人で輸入できていた取扱いを改め、原則として、医師の処方に基づくことが地方厚生局で確認できた場合に限って輸入が可能となるよう、個人輸入を制限することとしました。

(参考)今回、個人輸入を制限し、注意を喚起する経口妊娠中絶薬の商品名等は
一般名:ミフェプリストン(Mifepristone)
販売名:(EU)ミフェジン(Mifegyne)
(米国) ミフェプレックス(Mifeprex)
(中国) 息隠(米非司酉同片)
    開発時の名称である「RU486」とも呼ばれています。
 ミフェプリストン錠は妊娠が継続するために必要なプロゲステロンと呼ばれるホルモンの作用を止める妊娠中絶薬です。
国内では承認されていないこの経口妊娠中絶薬は、ときに手術が必要となる出血を起こすことが知られており、欧米でも医師の処方と経過観察が必要とされる医薬品であるため、安易に個人輸入され、使用されることによる健康被害が懸念されます。
引用:厚生労働省ホームページ http://www.mhlw.go.jp/
■ 日本高血圧学会が「高血圧治療ガイドライン2004年版」の概要を発表 (2004年 11月 02日 11:05)
 日本高血圧学会が改定作業を進めていた「高血圧治療ガイドライン・2004年版(JSH−2004)」の概要がまとまり、本年10月9日の日本高血圧学会の総会で発表されました。
■改定のポイント
1.より厳重な降圧(初診時の治療計画、脳血管疾患・慢性腎疾患・糖尿病合併者、高齢者)
2.24時間にわたる降圧(早朝高血圧、逆白衣高血圧)
3.Ca拮抗薬、レニン・アンジオテンシン系抑制薬を中心とした併用療法
4.利尿薬の適切な利用
■血圧の分類:JSH−2000と同じ
■家庭血圧の基準:家庭血圧が≧135 かつ・または ≧85 以上の場合 高血圧とする
■降圧目標:若年者・中年 130/85
糖尿病・腎疾患合併 130/80
高齢者;65歳以上 140/90
;75歳以上で >160/ の場合、まず 150/90 その後慎重に 140/90
■降圧薬:合併症がない場合に第一次薬(主要降圧薬)としては、Ca拮抗薬、AU受容体拮抗薬(ARB)、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬、α遮断薬の6剤をあげ、厳重な降圧を達成するためCa拮抗薬、ARB、ACE阻害薬などを中心とした併用療法を推奨するとともに、併用療法の組合せとしてCa拮抗薬とARB、Ca拮抗薬とACE阻害薬、Ca拮抗薬と利尿薬などを紹介
利尿薬に関しては、利尿薬を含まない2薬の併用で降圧が不十分な場合には利尿薬を追加すると明記
■生活習慣の修正:7g/日以下であった食塩制限を6g/日未満に
野菜・果実の積極的摂取
BMIは25未満
など。
 ガドラインの詳細については、「高血圧治療ガイドライン2004(JSH−2004)」が平成16年12月に発刊が予定されている。
参考資料:薬事日報ホームページ http://www.yakuji.co.jp/
日本薬業新聞 平成16年10月22日6頁
薬局新聞 平成16年10月20日10頁
     薬事ニュース 平成16年10月29日1,4頁
■ ワルファリンとGFJで死亡例なし エーザイテレビ番組の影響懸念 (2004年 10月 22日 01:05)
平成16年8月24日のテレビ番組「最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学」でワルファリンカリウムとグレープフルーツジュースの相互作用によるとした死亡例が放映されたことについて、ワーファリンの製造・販売元であるエーザイは26日「現時点までに両者の相互作用による死亡例の報告はなく、重大な相互作用が発生するとは考えていない」との見解を発表した。同社は「今回の報道により患者様が不安に思われ、ワーファリンの服用を中断された場合、重篤な疾患の発症が懸念される。患者様が独自に服薬を中断されないよう、先生方のご指導をよろしくお願い申し上げます。」との医療関係者への協力を呼びかけている。
日本薬剤師会も27日この件で通知、両者の相互作用に関する海外文献2件を確認したが、死亡例ではなく、これまでの情報から判断する限り、臨床上の問題が生じるとは考えにくいとした。とはいえ、大量のグレープフルーツジュース摂取がワルファリンの作用にどのような影響を及ぼすのか明確でないため、「ワルファリン服用者が医師の指示なく服用を中止しない。また、ワルファリン服用中は大量のグレープフルーツジュースを摂取しない」よう対応を指示している。
                    NIKKEI Drug Information 2004.9 ,5 ほか
■ 疾病名である用語「精神分裂病」を「統合失調症」へ変更 (2004年 10月 21日 23:42)
 日本精神神経学会は2002年8月、1937年から使われてきた「精神分裂病」という病名を「統合失調症」に変更することを決めた。それに伴い、厚生労働省は精神保健福祉法に関わる公的文書や診療報酬のレセプト病名に「統合失調症」を使用することを認め、同年8月に各都道府県・政令都市にその旨を通知した。
 現在、メディアや出版業界など多くの領域で、「精神分裂病」を「統合失調症」に変更する作業が進められている。
 原語の「スキゾフレニア(Schizophrenia)」の訳語を「精神分裂病」から「統合失調症」に穏やかに翻訳仕直したもの。
 適応症として「精神分裂病」と記載されていた医薬品(174件)の添付文書の適応症は、すでに「統合失調症」と変更されている。
参考文献
(1) 社団法人日本精神神経学会ホームページ http://www.jspn.or.jp/
(2) 厚生労働省ホームページ http://www.mhlw.go.jp/
(3) 医薬品医療機器情報提供ホームページ http://www.info.pmda.go.jp/
■ 1日300kcalのエネルギーを消費するための歩数 (2004年 10月 12日 23:57)
 薬局・薬剤師のための「健康日本21テキスト」(日薬雑誌54(10-Suppl.)108頁)に、
1日300kcalのエネルギーを消費するために ちょっと早歩き!! 習慣にしませんか。
300kcalを消費するための歩数=6÷((体重kg)×(歩幅cm))×10,000,000
と紹介されています。 本文18頁には、その解説が次のように記載されています。
【歩行数と消費エネルギーとの関係】
1日1万歩によるエネルギー消費は、体重60kg 、歩幅70cm (男性の平均歩幅)、分速70mの場合には、約300kcalとなる。300kcalを消費するための歩数は、以下の式から推測することができる。
300kcalを消費するための歩数=6÷((体重kg)×(歩幅cm))×10,000,000
 体重60kg 、歩幅70cm での試算で、14,286歩=6÷((60kg)×(70cm))×10,000,000
となりました。何故1万歩にならない? この方程式の引用論文(調剤と情報6(2)299,2000-2)に遡ってみますと、
A.体重kg
B.1km歩くときに消費するkcal(A÷2)
C.歩幅cm(男性70cm 、女性65cm)
D.300kcal を消費するために必要な歩行km(300÷B)
E.300kcal を消費すために必要な歩数(D×100,000÷C)
となっています。この計算式では、やはり14,286歩となります。
ところが、解説の所に、1km走ると、体重と同じ値のkcalを消費し、歩行に消費するエネルギーは走行時の半分といわれている、とありました。
答(1日1万歩)は「早歩き(70m/分)」、「ちょっと早歩き!!」にありました。  
■ 小児用抗菌薬の服薬に関する情報提供について (2004年 09月 14日 15:32)
 有重美幸氏は全国の保険薬局の薬剤師を対象にインターネット上で調査を実施し、小児用抗菌薬の服薬に関する情報提供の現状を次のように報告(薬局55(8)2452,2004)している。
 「子供の年齢別に、保護者に対し服薬に関する情報提供の内容を変えている」と回答した薬剤師59名に対して、年齢別の服薬に関する情報提供の内容を聞き集計した。
●「0歳の小児に対する抗菌薬の服薬指導の内容をすべてお答えください」の質問に対する回答(N=58)
「ほほの両側につける」77.6%、「ジュースに溶かす」19.0%、「アイスクリームに混ぜる」15.5%、「ヨーグルトに混ぜる」13.8%、その他12.1%
●「1-3歳の小児に対する抗菌薬の服薬指導の内容をすべてお答えください」の質問に対する回答(N=58)
「アイスクリームに混ぜる」50.0%、「ヨーグルトに混ぜる」39.7%、「薬用ゼリーに混ぜる」39.7%、「ジュースに溶かす」34.5%、「ほほの両側につける」32.8%、「プリンに混ぜる」24.1%、その他20.7%
●「4歳以上の小児に対する抗菌薬の服薬指導の内容をすべてお答えください」の質問に対する回答(N=59)
「アイスクリームに混ぜる」42.4%、「薬用ゼリーに混ぜる」42.4%、「ジュースに溶かす」30.5%、「ヨーグルトに混ぜる」27.1%、「特に何も指導していない」25.4%、その他16.9%
■ レスピラトリー(呼吸器系)キノロン (2004年 09月 12日 23:40)
 2003年に発表された日本呼吸器学会による「呼吸器感染症に関するガイドライン−成人気道感染症診療の基本的考え方」では、レスピラトリーキノロンは抗肺炎球菌活性が強く、多くの細菌性の病原体をカバーする抗菌薬とされている。具体的な薬剤名としては、ガチフロキサシン、スパルフロキサシン、高用量のレボフロキサシン、トスフロキサシンが上げられている。
 ニューキノロン系薬は濃度依存的に抗菌活性を示すこと、さらにPAE(post-antibiotic effect)と呼ばれる、抗菌薬と菌との接触がなくなった後も持続的に増殖抑制効果を示すことも最近の研究で分かってきた。したがって、MICより上のAUC(血中濃度曲線下面積)が大きくなるのが望ましいとされ、この指標をAUC/MICと呼んでいる。そのため、レスピラトリーキノロンを含むニューキノロン系薬は、1日量の2-3分割投与よりも1回投与の方が効果的と考えられている。
 使用にあたっての留意点としてレスピラトリーキノロンでも菌の耐性化を防ぐために乱用を避けること、重篤な副作用として横紋筋融解症、血糖異常、心室頻拍、QT延長、急性腎不全などが報告されている。
                               参考資料:斎藤厚;日経CME2004年9月 P1-2より
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