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■ カンデサルタン(ブロプレス)の慢性心不全におけるACE阻害剤との併用療法 (2005年 06月 11日 14:01)
 薬事日報(平成17年6月1日)に「武田薬品『カンデサルタン』ACE阻害剤との併用療法、FDAの承認を取得」と報道されています。その要点は次のとおりです。
 「武田薬品はこのほど、FDAより高血圧症治療剤カンデサルタン(日本製品名:ブロプレス)の慢性心不全におけるACE阻害剤との併用療法について5月19日に承認を取得したと発表した。今回の承認は、米国で同剤の販売活動を行っているアストラゼネカが取得したもの。単独療法については本年2月に既にFDAから承認を受けている。今回の承認により、同剤はアンジオテンシンU受容体拮抗剤(ARB)として、米国ではじめて慢性心不全患者の死亡率と入院回数を減少させる効果が、単独でも、ACE阻害剤およびβ遮断薬との併用でも確認された薬剤となった。」
 武田薬品工業(株)のホームページには、そのニュースリリース(2003年8月31日)の中でCHARM-Added(併用投与)試験について、「ACE阻害薬による治療を受けている慢性心不全患者さんにカンデサルタンを併用投与したところ、従来の治療のみの場合と比べ、死亡率および罹患率において更なる有用性が示されました。カンデサルタンは心血管死および慢性心不全の悪化による入院リスクを15%低下しました(P=0.011)。CHARM-Added(併用投与)試験で重要なのは、慢性心不全患者さんの標準治療であるACE阻害薬とβ遮断薬の併用例にカンデサルタンを加えた3剤併用においても、上述の優れた効果が認められ、なおかつ優れた忍容性が示された点です。」と記載しています。
(注)CHARM:Candesartan in Heart failure : Assessment of Reduction in Mortality and Morbidity
 欧州高血圧学会(ESH)と欧州心臓病学会(ESC)の合同で発表された「異なった種類の降圧薬の可能な併用の組合せ図」では、AU受容体拮抗薬(ARB)とACE阻害薬の併用、AU受容体拮抗薬(ARB)とβ遮断薬の併用、ACE阻害薬とβ遮断薬の併用は、いずれも「最も妥当な併用」を示す実線で結ばれておらず、「最も妥当な併用」として認められていませんでしたが、今後の展開が注目されます。
参考資料
薬事日報:平成17年6月1日
武田薬品工業(株)ホームページ・ニュースリリース:
http://www.takeda.co.jp/press/03083101j.htm
http://www.takeda.co.jp/press/04112901j.htm
2003 ESH/ESC hypertension guidelines.: J Hypertens21:1779,2003
■ 肺高血圧症用剤ボセンタン(商品名:トラクリア錠62.5mg) (2005年 06月 01日 13:24)
 薬事日報(平成17年5月27日付け)に6月3日収載予定の新医薬品が掲載されていますが、その中に「トラクリア錠62.5mg」があります。トラクリア錠については、エンドセリン受容体拮抗作用を有し、肺動脈性肺高血圧症(WHO機能分類クラスV及びWに限る)を効能・効果とする、と紹介されています。
 薬局56(5)2023,2005 には、海外ニュース「肺動脈高血圧に対するbosentanによる治療」
と題して、次の様なCohenらのレビュー[Am J Health-Syst Pharm,61(11):1107(2004)]が紹介されています。
「初期の肺動脈高血圧の臨床診断は、症状が不特定のため難しい。最も多い肺動脈高血圧の症状である激しい運動による呼吸困難は、患者の60%に起こり、非常に危険な心臓拍動をきたす。平均肺動脈血圧の上昇と肺動脈高血圧の進行は血管壁の肥厚、血栓症、血管収縮に至る。Bosentanは肝臓毒性を生じるため、治療中は注意深い観察が必要である。肺動脈高血圧は出産年齢の女性に多いことから、この年齢の女性にbosentanを使用するときは十分に検討しなければならない。Bosentanの小児への使用データは少ないが、肺動脈高血圧の小児患者において、血行動態の改善がみられたという研究結果がある。プロスタサイクリン製剤は最も効果的な肺動脈高血圧治療薬であるが、非経口治療のため使用に制限がある。Bosentanの作用の開始、濃度、持続性、効果の度合い、生存効果についての検討が必要である。」この論文は2004年に発表されたものですから、その後の臨床研究で有効性・安全性の検討がさらに重ねられていると思われます。
 基礎の解説については、ホームページに、後藤勝年(筑波大学大学院人間総合科学研究科(基礎医学系薬理):月刊治療学2004年8月号掲載「エンドセリン受容体拮抗薬・変換酵素阻害薬の開発」が出ております。ご参照ください。
参考文献
薬事日報:平成17年5月27日
海外ニュース「肺動脈高血圧に対するbosentanによる治療」薬局56(5)2023,2005
後藤勝年「エンドセリン受容体拮抗薬・変換酵素阻害薬の開発」:
http://www.lifescience.jp/ebm/medhist/0408/0408.htm
■ 多剤投与の弊害を回避する 薬剤を減らす際に検討すべき事項 (2005年 05月 26日 01:09)
 Nikkei Medical No.450,38,2005 に「多剤投与の弊害を回避する」という記事が掲載されています。その記事中に、投薬数と薬物有害作用発現頻度の図表(鳥羽研二、日本老年医学雑誌1999による)が紹介され、6剤以上で有害作用が急増することから、この結果を踏まえた秋下雅弘先生(東大大学院加齢医学助教授)の投薬数の整理に関する考え方が紹介されています。次の通りです。
 優先順位を決める際には、まず、処方薬の「整理」を実現するためにどう薬を減らしていけばいいのかについて、「鳥羽研二:日本老年医学雑誌1999による」下表の事柄を検討するようアドバイスされています。
表 薬剤を減らす際に検討すべき事柄
○薬効が確立しているか?
○訴える症状すべてに処方していないか?
○慢性疾患に観察期間を設けているか?
○与薬適応の優先順位を考えているか?
○薬物療法以外の手段はないか?
この中で、秋山先生は4番目の「与薬適応の優先順位」を重視され、優先順位を決める際、まず
@命を救う薬
A苦しみを和らげる薬
B病気による機能低下を防ぐ薬
C慢性疾患の予防、予後をよくする薬
D長期予後との関連が明らかでない薬
の5つに分類。
最初にDの減量中止を検討し、順にC、Bと見直しを進めていく。「処方されている薬がどの分類に当てはまり、目の前にいる患者さんが何を求めているかを考えれば、自然と処方優先順位が決まってくる」と述べておられます。
参考文献
「多剤投与の弊害を回避する」: Nikkei Medical No.450,38,2005
■ 心に残る二つの記事、「プロポーションと投与量」と「交絡」 (2005年 05月 22日 00:12)
 都薬雑誌2005年4月号に東京薬科大学 臨床薬理学教室 教授 岡希太郎先生は、「プロポーションと投与量の話」の中で次の様にお書きになっておられます。
 「…ここで問題は、体重や身長なら正確に測れるが、プロポーションに より近いはずの体表面積を、簡単に測る方法はないということである。そこでT先生のように、体重と身長から体表面積を計算する必要が生じてくるのだ。今まで多くの式が発表された。ここでは一番新しくていちばん簡単な式を紹介しよう。
 1985年(昭和60年)にニューイングランド医学誌に載った次の式を見て、T先生の研究に終止符が打たれたのである。
 体表面積(u)=(H(cm)×W(kg)/3,600)の平方根
 その後、臨床薬理学を専攻した院生のG君は、腎機能とプロポーションの関係で、800人の患者さんのデータを解析し、男性は体重、女性は身長の寄与が大きいことを指摘した。……」

 ちば県薬誌51(4)335頁の「統計豆知識 その12」に、「交絡:confounding」と題して次の様に用語解説がされている。
 ある暴露に関して群を比較する場合、観察している危険因子は直接転帰に影響を及ぼさず、危険因子に付随する表面には出てこない他の因子が転帰に影響を与える場合がある。これを交絡といい、転帰に係わる因子を交絡因子 confounding factor という。
 例えば、喫煙と利尿の因果関係に関する調査をしたとする。喫煙する群としない群で1日にトイレに行く回数を比較したところ、喫煙する群では有意に回数が多かった。しかし、事前に各群へ実施した調査用紙を集計したところ、喫煙者ではコーヒーを好む傾向が認められた。カフェインは利尿作用を有していることから、この調査結果からは、必ずしも喫煙と利尿作用を結びつけることが困難になる。このように、因果関係を調査するには表に出ない事象が結果を左右している場合がある。これを交絡という。

 私自身、電話での患者さんのお薬相談において、年齢・体重・身長等々をすべて確認して情報提供しているだろうか。交絡因子について確認しているだろうか。患者さん個々への対応に、群としての結果で断定しがちな自分に反省が多い。
参考文献
岡希太郎:「プロポーションと投与量の話」都薬雑誌27(4)24,2005
統計豆知識 その12:「交絡:confounding 」ちば県薬誌51(4),2005
■ 「規格基準型特定保健用食品」9関与成分の基準が了承されました (2005年 05月 10日 13:58)
 厚生労働省は、医薬食品局長通知(薬食発第0201001号;平成17年2月1日付け)「『健康食品』に係る制度の見直しについて」のなかで、「特定保健用食品(規格基準型)制度の創設」を発表しています。この「規格基準型」について、特定保健用食品の許可件数が多い食品等科学的根拠が蓄積したものについては、許可手続きの迅速化のため、新たに規格基準を作成し、薬事・食品衛生審議会における個別審査を行わず、厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室において規格基準に適合するか否かの審査を行うこととした、と解説しています。
 薬事日報(平成17年4月27日付け)は、薬事・食品衛生審議会新開発食品調査部会が9関与成分の基準を了承し、「規格基準型特保」が動き出したと報道しています。同紙は、規格基準型特保について、既に許可を受けている特保の中から、
@保健の用途ごとに分類したグループの許可件数が100件を突破
A関与成分の最初の許可から6年が経過
B複数企業が許可を取得
というスクリーニング基準を満たすものについて、規格基準を作成し許可する制度である。ただし有効性・安全性が事務局(厚労省)で判断できないものは、通常の個別審査が行われる、としています。
 今回、スクリーニング基準を満たし、規格基準が作成されたのは、
保健用途として「お腹の調子を整える」旨を表示するもののうち、
食物繊維区分の @難消化性デキストリン、Aポリデキストロース、Bグアーガム分解物
オリゴ糖区分の C大豆オリゴ糖、Dフラクトオリゴ糖、E乳果オリゴ糖、Fガラクトオリゴ糖、Gキシロオリゴ糖、Hイソマルトオリゴ糖
の9成分。
参考資料:
医薬食品局長通知(平成17年2月1日付け)「健康食品」に係る制度の見直しについて
厚生労働省ホームページ:
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/topics/050131/index.html
薬事日報:平成17年4月27日
■ カリウムの食事摂取基準:目安量と高血圧予防を目的とした目標量 (2005年 05月 05日 01:58)
 毎週水曜日に放映されている“ためしてガッテン”を見ておられる方は多いと思います。
2005年4月13日に「★大誤解! ミネラル不足の新事実」というテーマで、4月から新しくなった「日本人の食事摂取基準」の中のカリウムの食事摂取基準を取り上げています。
 放映の中では、
 「足りている?足りてない?カリウムの謎」として、「これまでの基準では、カリウムは1日当たり2000ミリグラム必要であるとされてきました(所要量)。日本人の平均摂取量は1日当たり2389ミリグラムで、実は十分満たしてきたのです。一方、新基準では、目指すべき摂取量は1日当たり3500ミリグラムになりました(生活習慣病予防の観点からみた望ましい摂取量)。」と紹介されています。放映では、さらに続けて「高血圧予防に!無駄を承知でカリウムたっぷり」として、「以前の摂取基準で、カリウムが1日当たり2000ミリグラムで十分といわれたのは、ナトリウム(摂取)が多すぎない場合の数値です。ところが人間が体質として「塩がおいしいい」と感じる限り、減塩はとても難しいといえます。そこで4月からの新基準では、ナトリウムと一緒に排泄されることも前提に、「1日当たり3500ミリグラム摂取することが望ましい」と述べられています。
 これを「日本人の食事摂取基準 2005年版」で調べてみました。以下の通りです。
・・・・・・目安量(mg/日)・・・・・・・・・・・・・・高血圧予防を目的とした目標量(mg/日)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生活習慣病予防の観点からみた望ましい摂取量・・目標
年齢・・・・・・男性・女性・・・・・・・・・・・・・ 男性・女性・・・・・・・・・・・ 男性・女性
18-29歳・・2,000/1,600・・・・・・・・・・・・ 3,500/3,500・・・・・・・・・・ 2,800/2,700
30-49歳・・2,000/1,600・・・・・・・・・・・・ 3,500/3,500・・・・・・・・・・ 2,900/2,800
50-69歳・・2,000/1,600・・・・・・・・・・・・ 3,500/3,500・・・・・・・・・・ 3,100/3,100
≧70歳・・・2,000/1,600・・・・・・・・・・・・ 3,500/3,500・・・・・・・・・・ 3,000/2,900
(注)生活習慣病予防の観点からみた望ましい摂取量:米国高血圧合同委員会第六次報告が高血圧予防のために、3,500mg/日を摂ることが望ましいとしている値。高血圧の第一次予防を積極的に進める観点からは、この値が支持される。

 平成17年度から平成21年度の5年間使用する「日本人の食事摂取基準(005年版)」は、平成16年10月25日に「日本人の栄養所要量−食事摂取基準−策定検討会」(座長)田中平三 独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長)においてとりまとめられた。
参考資料
nhkホームページ: http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q2/20050413.html
日本人の食事摂取基準(2005年版):医歯薬出版株式会社 11頁
■ .エピネフリン自己注射キット「エピペン注射薬」について (2005年 04月 26日 15:53)
 Nikkei Medical 2005年4月号に「アナフィラキしーに新たな一手 エピペン」と題し以下のような記事が掲載されています。
厚生労働省は3月、エピネフリン自己注射キット「エピペン注射薬0.3mg」の適応を、従来のハチ毒から食物や薬物のアナフィラキシーにも拡大した。同時に、食物によるアナフィラキシー発症者の多くが子供であるため、体重15kg以上30kg未満に適応がある「エピペン注射薬0.15mg」も承認した。早ければ4月中旬から販売される見込みだ。
 自己注射のため、厚労省は医師による患者および保護者へのインフォームド・コンセントの実施を義務付けた。また、十分かつ適切な指導ができる医師のみが処方することが承認用件となっているため、販売元のメルクは、講習会に参加した医師だけに納入するシステムをとる。既に全国で約5000人が講習を終え、処方できる態勢になっている。
 エピペンは、保険適応はなく完全な自由診療で処方されるため、薬価は決められていない。

 エピペン注射液0,3mg、エピペン注射液0.15mgの添付文書および解説ついてはホームページで閲覧することができます。
参考資料
「アナフィラキシーに新たな一手 エピペン」:Nikkei Medical 2005.4月号15頁
「エピペン注射液」医療関係者の皆様へ:
http://www.epipen.jp/for_professionals/syohou/syohou.html
■ コラーゲンの安全性と機能性について (2005年 04月 15日 15:43)
 表題について、国立健康・栄養研究所のホームページで石見佳子氏(国立健康・栄養研究所 食品表示分析・規格研究部)の論文を見つけましたので以下にその概略を紹介します。
 コラーゲンが熱によって変性したものがいわゆるゼラチンです。ゼラチンをさらに加水分解して分子量を数千程度まで小さくしたものがコラーゲンペプチドで、近年いわゆる健康食品の素材として利用されています。
 通常タンパク質はアミノ酸まで分解された後、腸管で吸収されると考えられています。ところがコラーゲンペプチドは、大きな分子量のまま吸収されるという報告があります。
 Oesserらは、マウスに放射性同位元素で標識したコラーゲンペプチドを経口摂取させ、吸収されたコラーゲンペプチドを調べたところ、摂取されたペプチドの95%が12時間以内に吸収されること、また吸収されたペプチドの分子量は500-15,000(アミノ酸にすると5-150個)であることを報告しています。さらに、ペプチドの体内分布を調べたところ、皮膚、肝臓、腎臓、脾臓、筋肉、軟骨など全身に分布していましたが、特に軟骨には分子量の大きなペプチドが蓄積していたということです。近年、比較的大きな分子量のペプチドが小腸から吸収されるという報告がありますが、このメカニズムとして、ある特定の信号となるペプチドを持つタンパク質は、大きな分子量のまま吸収されること、また分子量の大きなペプチドは、小腸の細胞の間隙から吸収される可能性などが考えられています。
 美容効果
 コラーゲンを摂取することによって、コラーゲンの原料となるアミノ酸やペプチドを補給することは出来ますが、実際に皮膚の状態を改善する効果があるかについては、科学的に十分に証明されているわけではありません。
 関節疾患
 米国、英国及びドイツの患者を対象にした臨床試験では、6ヶ月間、1日10gのコラーゲンペプチドを摂取しても変形性関節症に伴う痛みに対しては改善効果が認められない事が明らかにされました。ただ、ドイツ人に限っては統計的に有意な差が認められたということです。日本では、健康食品として摂取したコラーゲンの関節炎に対する改善効果に関しては、まだ十分な科学データが得られていないのが現状とのこと。
 慢性関節リウマチ
 U型コラーゲンを薬として使用することを目的とした臨床試験の報告はありますが、健康食品による効果の報告はないとのことです。
 骨強度に対するゼラチンの作用
 Tanakaらは、閉経後骨粗鬆症モデル動物(OVX)を用いてゼラチンの骨強度に対する効果を観察しています。すなわち、OVXラットにゼラチン添加食(カゼイン10%+ゼラチン5%)を60日摂取させ、対照群(カゼイン15%)と比較したところ、明らかに大腿骨の破断強度が増強したと報告しています。一方、Koyamaらは10%のカゼイン食のうち4%をゼラチンで置き換えた食餌により、正常マウスの大腿骨骨密度が増加したこと報告しています。
 ヒト骨粗鬆症に対するコラーゲンペプチドの作用
 Adamらは、骨粗鬆症患者にカルシトニンと同時にコラーゲンペプチドを投与すると、カルシトニン単独に比べて骨吸収の指標になる尿中ピリジノリン排泄が低下することを確認していますが、ヒトの骨密度に対するコラーゲンペプチド摂取の効果に関しては殆ど科学的データがないため、今後さらに詳細に検討する必要があるとしています。
 石見佳子氏は、まとめとして、コラーゲンの摂取は、安全性については食経験からも大きな問題はないと考えられるが、機能性については科学的に十分に説明されていない面が多いため、今後さらに研究を進める必要があるとしています。
詳細については国立健康・栄養研究所ホームページ
 http://www.nih.go.jp/eiken/chosa/ishimi.htm  を参照ください。
■ メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とウエストサイズ (2005年 04月 12日 11:05)
内臓脂肪がたまると血糖や血圧、中性脂肪などが正常より高めになる。糖尿病や高血圧と診断されるほどではなくても、複数重なると動脈硬化が進行し心筋梗塞につながることが分かり、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と呼ばれるようになりました。これまでに、海外ではメタボリックシンドロームの診断基準が発表されていましたが、国内ではまだ発表されていませんでした。
 今回、日本動脈硬化学会や日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会など8学会が内臓脂肪の新診断基準をまとめ、8日、日本内科学会で発表されました。
その診断基準は、内臓脂肪のたまり具合をウエストサイズで判断するもので、男性85cm、女性90cm以上を「要注意」とされています。
 メタボリックシンドロームの診断基準はこのウエストサイズに加えて、
@最高血圧が130以上または最低血圧が85以上
A空腹時血糖値が110以上
B中性脂肪が150以上かHDLコレステロールが40未満
 @からBの三項目のうち、二項目以上がこれに当てはまる場合をメタボリックシンドロームとされています。
参考資料
朝日新聞:平成17年4月9日
北国新聞:平成17年4月9日
■ 処方せん医薬品および処方せん医薬品以外の医療用医薬品の取り扱い (2005年 04月 05日 01:46)
 「処方せん医薬品等の取扱いについて」厚生労働省医薬食品局長通知(平成17年3月30日付)が出されました。 この通知は、「処方せん医薬品の取扱い」と「処方せん医薬品以外の医療用医薬品の取扱い」とに分けて記載されています。
 まず、「処方せん医薬品」については、
病院、診療所、薬局等へ販売する場合を除き、医師からの処方せんの交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、販売を行ってはならないとされています。
正当な理由とは、
@大規模災害時等、医師等からの処方せん交付が困難な場合の販売
A地方自治体の備蓄に係る販売
B市町村が実施する予防接種に係る販売
C助産師が行う臨時応急の手当等のために、助産所の開設者に販売する場合
D救急救命士が行う救急救命処置のため、消防署等の設置者に販売する場合
E船員法施行規則の規定に基づき、船舶に備え付けのため船舶所有者に販売する場合
F医学・歯学・薬学・看護学等の教育研究機関に対し、教育・研究に必要で販売する場合
G在外公館の医師等の診断に基づき販売する場合
Hその他の@からGに準じる場合
となっています。
 「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」については、
 「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」も処方せん医薬品と同様に、正当な理由なく、販売を行ってはならないとされ、薬局においては、処方せんに基づく薬剤の交付が原則であるとされています。すなわち、「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」については、病院、診療所、薬局等へ販売する場合を除き、処方せんに基づく薬剤の交付を原則とするものであるが、一般用医薬品の販売による対応を考慮したにもかかわらず、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合などにおいては、必要な受診勧奨を行った上で、次に掲げる事項を遵守すること、となっています。
@数量の限定:必要最小限の数量に限定
A調剤室での保管・分割:薬局においては、原則として、医師等の処方せんに基づく調剤に用いられるものであることから、調剤室又は備蓄倉庫において保管すること。また、販売にあたっては、薬剤師自らにより、調剤室において必要最小限の数量を分割すること
B販売記録の作成:事後に保健衛生上の支障が生じた場合に、迅速な対応を講ずることが出来るよう販売時において、販売品目、販売日、販売数量並びに患者の氏名及び連絡先を記録すること
C薬歴管理の実施:販売された「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」と医療機関において処方された薬剤等との相互作用・重複投薬を防止するため、患者の薬歴管理を実施すること
D薬局における薬剤師の対面販売:販売にあたっては、薬局において、薬剤師が対面により販売すること
その他の留意事項
 「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」の販売に当たっては、処方せんに基づく薬剤の交付又は一般用医薬品の販売等と同様に、次の事項にも留意すること。
@広告の禁止:全ての医療用医薬品について、一般人を対象とする広告は行わないこと
A服薬指導の実施:「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」については、消費者が与えられた情報に基づき最終的にその使用を判断する一般用医薬品とは異なり、医療において用いられることを前提としたものであるので、販売に当たっては、これを十分に考慮した服薬指導を行うこと
B添付文書の添付等:「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」の販売については、分割販売に当たることから、販売に当たっては、外箱の写しなど新薬事法第50条に規定する事項を記載した文章及び同法第52条に規定する添付文書又はその写しの添付を行うなどすること
(注)詳細については次の引用をご覧下さい。
引用:社団法人 日本薬剤師会ホームページ http://www.nichiyaku.or.jp/
(本ホームページを閲覧するには、ユーザー名とパスワードが必要です。ユーザー名とパスワードは日本薬剤師会雑誌の最後の頁に記載されています。)
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